「あ~、極楽、極楽」 平成30年11月

 寒い今の時期、凍えながら外から帰ってきますと、暖かなお部屋の空気に触れ、ホッと一息…。さらに、その日の疲れを癒そうと、お風呂に入ったならば、「あ~、極楽、極楽」と心も体も思えるのではないでしょうか。
 お風呂に入れば、身体の汚れもとれて悩みや苦痛もなくなり、まさに極楽へ参らせていただけたような思いになるからです。
今は昔と違って、物質的に豊かな時代と言えましょう。娯楽や楽しみごとが増えて、自分たちの心身を癒そうという機会が増えました。
 しかし、昔は、何もかも貧しい時代。お風呂に入ること一つにしても、それはこの上ない喜びであり、心身ともに癒されたのです。
 そんな気分の中、お念仏をお称えすることは、「湯屋念仏」、「浴場念仏」という言葉もあるように、心身ともに綺麗になり、そんな心のままお念仏をお称えすることで、極楽往生を願ったのです。
世間一般では、これから来月暮れにかけて、一年積もりに積もった心の垢を洗い落とし、新年を迎えようとします、
 しかし、私たちの心の垢は祈っただけでは、なかなか落ちてゆくものではないのです。
 私たちの心の垢を落とし、清らかに、綺麗にならせていただくには、心から阿弥陀さまを信じて、お念仏をお称えしてゆくしかないのです。
 いつでも、どこでも、どんなときでも、お風呂に入っても、お称えできるのが、お念仏です。心清らかに新年を迎えるためにも、しっかりとお念仏をお称えいただきたいものです。

合掌
(文責:長尾晃行)