信じる 令和8年4月

 春を迎えましたが、まだまだ寒い日が続いております。
 私の冬の朝は、まだ空が薄暗い時間に氷点下の本堂でご本尊さまの前に座り、真っ白な息を吐きながらお念佛を称えることから始まります。先立った方々と極楽浄土で再会させていただく為に、自らの往生を願いお勤めをいたします。お勤めの後は、一時間ほど境内の除排雪作業にかかります。晴れた日には澄んだ空に星が瞬いていることもあります。
 私は星を見ると、いつも思い出すお話があります。
 皆さまは、小さなお子さんに「流れ星に願い事をすると叶うってホント?」と聞かれたら何とお答えしますか?
 小学四年生のユウタ君の夢は宇宙飛行士になることです。小さなころから星座や惑星の図鑑が大好きで、晴れた日には星空を飽きることなく自宅のベランダからずっと眺めていたそうです。そんなユウタ君の十歳の誕生日にお父さんがプラネタリウムに連れて行ってくれました。上映が終わるとユウタ君は男性の職員さんのもとへ駆け寄って質問をしました。
「おじさん、流れ星に夢を言うと叶うって本当ですか?」
するとその職員さんは「ぼく、お名前は?(ユウタ君が自分の名前を答えます)ユウタ君、きみの夢の大きさや願う気持ちの強さは、おじさんには分からない。けど、流れ星は一秒よりも短い時間で消えてしまう。その短い時間に願い事を言えた、言おうとした、というのはきみが自分の夢の事をいつも心に想っているからなんだよ。だから信じるんだ、絶対に叶うって信じるんだ、信じて頑張るんだ。」と、間髪入れずに答えてくれました。それを聞いたユウタ君は「うん!わかった!僕、信じる。信じて頑張る!おじさんありがとう!」と嬉しそうにお礼をして帰りました。そして今も夢に向かって頑張っています。
 小学生の純粋な心は、夢が叶うか叶わないかを理屈で考えるのではなく、叶うと信じ行動することを選びました。
 私たちが見習うべき姿勢です。先立った家族や縁のある人たちとの極楽浄土での再会を信じ、お念佛をお称えするのです。この世に生を受け、ありがたくもお念佛のみ教えに出逢う事ができたこの一生が終わる時、必ず阿弥陀さまがお迎えくださって、お浄土へ往生させてくださいます。まずはひと声「なむあみだぶつ」と称えることから始めましょう。

( 2026年3月31日 )

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