ご先祖様との繋がり 令和8年8月

 「亡くなった後まで家族に迷惑をかけたくないんです」
 最近、このようなことをおっしゃる方が増えてきました。核家族化が進み、子供や孫と普段離れて過ごしているご家庭も増え、帰ってくるのはお盆や年越しくらいというところも少なくありません。もしかすると、実家に帰ってくるのは数年単位と、そんなところもあるかもしれません。そんな中で、今後自分を含めたご先祖様のお世話を普段離れて過ごす家族にさせるのは忍びないと、そのようにおっしゃいます。
 その一方で、「亡くなった家族のためになにかしてあげたいけれど、今まで全部任せきりだったからどうすればいいのかわからない」という方もいらっしゃいます。
 そんな双方のお話を聞いていると、本当にご先祖様との繋がりを「迷惑」の一言で片づけてしまっていいのだろうかと、そのように思います。
 古くから日本人は、ご先祖様は自分たちを守ってくれる存在だとして大切にしてきました。一生懸命に生きる私たちをご先祖様が守り、守ってくれるご先祖様を私たちが大切にする。お互いがお互いを大切に想い合うからこそ生まれた繋がりなのであります。
 私たち浄土宗にも、先に極楽浄土に往かれたご先祖様が、苦しみの世界で迷う私たちを導き助けるために修行してこちらに戻ってくるという「還相回向」というものがございます。ご先祖様は亡くなって尚、私たちのことを心配してくれます。だからこそ私たちは、そんなご先祖様が安らかであるように、極楽浄土の阿弥陀様にお任せするのです。そしていつか私たちが命終える時、私たちもまた、遺してくる人たちを守り、導けるようになるために、阿弥陀様のいる極楽浄土へ行きたいと願うのであります。そのために、私たちは日々、手をあわせ「南無阿弥陀仏」とお称えするのです。
 お盆はお休みを取って実家に帰省するという方もいらっしゃいます。同時に、ご先祖様がこちらに帰ってくる大切な時間でもあります。どうかこの機に、お仏壇やお墓に手を合わせ、仏様やご先祖様との繋がりをより身近に感じていただければと思います。

( 2026年8月1日 )

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