千年の闇室 令和7年10月
十月を迎えこれから早いところでは紅葉の季節を迎えます。私のいる寺には黄金色の大イチョウが色づき境内を明るくしてくれます。
イチョウの花言葉は(荘厳)とされ、昔の人は金色に輝くイチョウと極楽浄土の荘厳を重ね合わせたのかもしれません。
その極楽浄土にいらっしゃる阿弥陀さまはすべての人を光明で照らし導いてくださいます。
千年の闇室という喩えがありますが、たとえ千年もの間真っ暗な部屋であっても、部屋の住人が勇気をだして窓を開ければ、その部屋に光が差し込み、千年の闇室が一瞬にして明るくなります。
私たちを果てしなく永い間苦しめている闇は「無明」であり、この「無明」のせいで今苦しみ、来世でも苦しむのです。
この闇を消し去る唯一の光が他ではない阿弥陀さまの光明なのです。南無阿弥陀仏ととなえれば、この私に仏の光がふりそそぎ一瞬にして「無明」の闇が消え去っていくのです。
しかしその瞬間は煩悩の闇が消えてもまたすぐにまた煩悩の闇に飲み込まれてしまうのが私たち人間の性です。だからこそ常々のお念仏を心がけていきたいものです。
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