コロナに耐え忍ぶ 令和4年6月

 新型コロナウイルスのニューノーマルな生活は早2年半となりました。このコロナ禍においては、様々な場面で活動が制限され、何に対しても耐え忍ぶことが多くなりました。最近はようやく活動をしやすくなってきたものの、いまだ感染への不安を隠し切れない方、早く経済活動を活発化させたい方、世論も一つにまとまりません。このような中では、今まであまり表にでてこなかった不満や怒り、人間のさまざまな感情が剥き出しになることが多くなったように感じます。そのような気持ちを抑えつつ、何とか耐え忍ぶためには、どのような心持ちとなればよいのでしょうか。
 私たちが信仰する仏教において、「耐え忍ぶこと」は重要な修行徳目として六波羅蜜の一つに数えられます。六波羅蜜とは布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧の六つの修行のことで、これらを実践することで覚りを目指します。その3番目の徳目に忍辱、耐え忍ぶことが挙げられます。
 それでは耐え忍ぶこととは、実際にどのようなことをすればよいのでしょうか。お経には次のように説かれています。「忍ぶ」とは怒りや怨みを捨て去り、自分と他者をともに安らかな状態にさせることだ、とされています。つまり耐え忍ぶということは、ただただ我慢することをいうのではなく、自分と他者を思いやるために、自らに沸き起こってくる悪い感情や行動を抑え込むということになります。
 皆様もこれまで自身の感情に対する抑制は十分にされてこられ、この2年半十分に耐え忍んでこられたことと思います。そこからさらに一歩踏み込んで、他者のことを思い、周りの方への思いやりを第一に生活して頂きたいのです。
 子供たちで感染が広がっていることを非難するばかりではなく、動き盛りの子供たちの発散の場を理解してあげましょう。また一方では、感染症への不安を持っている方々が大勢いることを理解し、自分は大丈夫だからと過信せず、感染症対策を徹底しましょう。
 もうしばらくの辛抱です。今一度利他の心を思い起こし、他者への思いやりをもって耐え忍び、このコロナ禍を乗り越えて参りましょう。