微妙香潔(みみょうこうけつ) 令和6年5月

 浄土宗で大事にしておりますお経『阿弥陀経』の中にあるお言葉で、「微妙香潔」と説かれています。
 「微妙」とは、仏教では「みみょう」と読み、仏教の教えや真理が深遠(じんのん)、つまり計り知れないほど奥深くて、すぐれていることを形容する言葉です。
 一般的には「微妙」は「びみょう」とお読みし、辞書には、「一言では言い表せないほど細かく、複雑なさま。また、きわどくてどちらとも言い切れないさま」「俗に、否定的な気分を婉曲にあらわす語。明言したくないときなどにも使う」など、本来の意味からはかけ離れた用い方をしているので、言葉というものは面白いものですね。
 次に、「香潔」とは、「香り高く、けがれのないもの」という意味があります。では、「微妙香潔」とは何を形容しているのかと申しますと、お浄土に咲く蓮のことを言い表しているのです。
 阿弥陀さまの極楽浄土には、宝の池があり、車輪程の大きさの蓮の花が咲き誇っていると説かれおり、青い色の蓮の花は青い色の光を放ち、黄色い蓮は黄色の光、赤は赤い光、白は白の光を放っていて、「微妙香潔」なりというのです。それだけ、素晴らしい特性で飾られ、完成され尽くしているのです、と説かれています。
 この世に咲く蓮の花でさえも、この上なく素晴らしく綺麗で香しい香りを放っているのに、お浄土に咲く蓮の花はきっと言葉で言い尽くせない程の輝き、香りを放っていることでしょう。
 その光景をいつか目の当たりに出来る日を楽しみにしつつ、この世での悩ましく苦しい日々を乗り越えさせていただく為にも口にお念仏をお称えする生活、そして、憎み合うのではなく、どんな人も共に手を携え合いながら、歩んで参りたいものです。

合掌