2月に入り、寒さの中にも少しずつ春の気配が感じられるようになりました。この時期、日本では「節分」という行事が行われます。節分は、季節の変わり目に邪気を払うための風習として広く知られていますが、その本質は、心の中にある煩悩や迷いを振り払い、新たな気持ちで春を迎えることにあるのではないでしょうか。
仏教の教えにおいても、私たちの心の中にはさまざまな「鬼」が存在すると考えられます。
怒り、欲望、嫉妬、執着——これらはすべて、私たちが日々の生活の中で抱く煩悩の一部です。節分で行われる「鬼は外、福は内」という掛け声は、単に外の邪気を払うだけでなく、自らの内なる鬼をも追い払い、心の平安を取り戻す願いが込められています。
浄土宗の教えでは、阿弥陀如来の慈悲の光がすべての人々を照らし、私たちの心の迷いを晴らしてくださると説かれています。「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで、阿弥陀さまの光明に照らされ、自らの煩悩に気づき、その愚かな部分を自覚することができるのです。
また、節分は立春の前日にあたり、文字通り「新しい季節の始まり」を迎える大切な節目です。この機会に、自らの心を振り返り、不必要な執着や迷いを手放し、阿弥陀さまの慈悲を感じながら清らかな気持ちで新しい季節を迎えたいものです。煩悩から解き放たれた心には、穏やかさと感謝の念が生まれ、日々の生活においても落ち着きと安心を得ることができるでしょう。
どうぞ皆さま、心の鬼を退治し、福を迎え入れる節分をお過ごしください。そして、阿弥陀さまの光明に照らされながら、穏やかな春を迎えられますように。「南無阿弥陀仏」の念仏とともに、新たな一歩を踏み出しましょう。