ある時、お釈迦様は弟子たちに向かって「人生の長さはどれくらいだと思うか」と尋ねられた。弟子の1人が「50年くらいでしょうか」と答えると、お釈迦様は「違う」と言われた。
今度は別の弟子が「それでは40年くらいでしょうか」と答えたが、お釈迦様は首を横に振った。
「30年くらい?」「20年くらい?」「10年くらい?」……。お釈迦様はいずれの答えに対しても首を横に振るだけだった。
ついに弟子の1人が「1時間くらい?」と答えた。それでもお釈迦様は首を横に振るだけだった。
そして、最後にある弟子が「一呼吸の間だけでしょうか」と答えたところ、お釈迦様は初めて「その通り」と大きくうなずかれた。
呼吸とは、息を吸ったり吐いたりすることで、空気中の酸素を取り込み、二酸化炭素を外に出すことだ。「息を吸う」(約1秒)→「息を吐く」(約1.5秒)→「休息期」(約1秒)という流れになる。
一呼吸に要する時間を約4秒とすれば、私たちは1日に21600回の呼吸を繰り返す。一呼吸の積み重ねが1日であり、1日の積み重ねが1年、1年の積み重ねが人生だと考えれば、一呼吸の積み重ねが人生ということになる。
息を吐ききって次に息を吸い始めるまでの間とは「生きていることの中にすでに死が紛れ込んでいる」という「瞬間」である。その一瞬一瞬を私たちは紡いで紡いで生かされている。
もちろん寝ている間も呼吸は続く。
法然上人は、「阿弥陀仏と 十声称えて まどろまん ながきねぶりに なりもこそすれ」(南無阿弥陀仏と十声お称えして眠るとしましょう。この眠りが永遠のものとなるかもしれませんから)とお歌に詠まれました。
阿弥陀さまは「なむあみだぶつ」お念仏を称えるすべての者を必ず救うと、我々に示されています。
眠りに就くその前に『十遍のお念仏』お称えしてみてはいかがでしょうか?
願共諸衆生。ともに励み、ともに歩んで参りましょう。なむあみだぶつ。