こころの強さ 平成30年7月

 あと2年後の夏には、いよいよ東京オリンピックが開催されます。準備も着々と進んでいるようですが、オリンピックと言えば、記憶に残る選手がいました。
 2008年の北京オリンピックにて、静岡の由緒ある常照寺という浄土宗のお寺の次男で僧侶資格を持つ松永共広選手が男子レスリング55キロ級で見事銀メダルを獲得しました。
 その松永選手は帰国後、「阿弥陀様に守られて五輪で活躍できたと思う。銀は絶えず磨いていないと輝きが保てない。これからの人生も精進していきたい」と力強くお話されていたことが記憶に残っています。
 オリンピックでメダルを獲得するのは、並大抵のことではないというのは皆さんよくよくご承知のことと思います。これはスポーツに限らず、どんな世界でも、その道を究めるのは同じことではないでしょうか。
どんな道であっても、基礎をしっかりする。スポーツでいえば、基礎トレーニングを毎日毎日繰り返していくこと。同じ練習の繰り返しが何よりも大事だということです。
 宗祖法然さまは、「一丈の堀を越えんと思わん人は、一丈五尺をこえんとはげむべし。」と仰せ下さっております。
一丈と言いますと、約3メートルですから、その幅の堀を飛び越えようと思うなら、約4.5メートルの堀を飛び越えるぐらい、そういう気構えで練習しなければいけませんよ、ということです。
どんな状況にも打ち勝つ「こころの強さ」を求めるには、日々の努力、積み重ねがいかに大事かを仰せ下さっているのです。
お念仏をお称えするということも全く同じです。日々、お称え致しましょう。

合掌
(文責:長尾晃行)