どんな時も謙虚な気持ちで 令和3年5月

 今年は桜の開花もかなりも早く北上を続けているようです。そんな中、本州では、もう藤の花がもう終わりかけというところも多くあるようですが、北海道では5月から6月にかけて見頃を迎え、楽しみされている方も多くいらっしゃるかと思います。

 「下がるほど 人の見上ぐる 藤の花」

 有名な藤の花のお歌ですね。藤色という色に表されるほど、美しく淡く青みがかった紫色の花は、高いところから大きく垂れ下がり、幾重ものカーテンが広がります。
 高いところに咲いても、花が垂れ下がるほど、人が見上げるというのは、どんな立場になっても謙虚に生きることの大切さを教えて下さるお歌です。

 しかし、このお歌も受け取る方によっては、こんな受け取り方もあります。

「藤の花って最初から高い所がスタート地点。低い所にある花はどんなに頑張って
も見下されるんだよね、きっと…。」というお方もいらっしゃいます。

たしかにそうかも知れませんが、でも藤の花って最初から高いところで咲いていないのです。藤の花の名所に行けば分かりますが、立派な藤棚があって、綺麗に咲いているのです。幹、枝から伸びたつるが支えとなる木や棚をつたって伸びていくのであって、藤の木の力だけでは、名所の花のように人が見上げるようにはならないのです。

 つまり、藤の花も支えとなる木や棚のおかげがあってこそ、高く伸びていき、綺麗な花を垂らすようになるのです。

 これは私たちも同じです。今の自分があるのは自分だけの力じゃない、両親や家族、周囲の方々のおかげがあってこその「私」ではないでしょうか。そう考えますと、
高いか低いかという見方ではない。「俺は、俺は…」「私は、私は…」というような我を張るのではなく、「~のおかげで」という謙虚な気持ち、心がけをすることが大切ではないでしょうか。 合掌