今を生きる 令和5年9月

 今年の3月東日本大震災の13回忌、あの日から12年の月日が経ちました。
 しかし未だに復興への道のりが長く続いています。
 私たち人類の歴史は必ず自然災害と共に歩んできました。
 筆者は1993年8月11日の生まれでその約1か月前の7月12日午後10時17分北海道南西沖地震が発生しました。つまり私は母のお腹にいる時、母の実家がある江差町で被災したのです。
 振り返って考えれば、もし地震の時、母が転倒してお腹をぶつけてしまっていたら私はこの世にいなかったかもしれません。そう思うと今ある命がとてもありがたいです。
 人間いつ何時なにが起こるのかは分かりません。しかし今分かっていることがあります。
 私たちは生きています。色々な方と出会い繋がり支えられて今を生きています。
 いまある命を大切にしなければなりません。浄土宗をお開きになった法然上人はこのような文を残されています。
「生けらば念仏の功つもり 死なば浄土へ 参りなん
 とてもかくてもこの身には 思いわずろうことぞなき 
 と思いぬれば 死生ともにわずらいなし」

 「この世に生きている内は念仏の功徳を積んで暮らし、死ねば必ず阿弥陀さまがおられる極楽浄土に往生できるのです。いずれにしてもこの身には思い煩うことがないと思えばいつ死んでも心配がないし、この世に生きている間に思い煩うことがないのです。」
 つまりこの身には思い煩うことがないと心得て、生涯を終えるまで励んで丁寧に毎日の日々を、お念仏を称えて過ごすことが大切なのです。
 当たり前のことですが、分かることはわかりますし、分からないことはわかりません。
 しかし分からないことを悩んでいるのは私たちではないのでしょうか。
 私たちは今を生きています。昨日があるから今日があり、今日があるから明日がある。
 いま命があるこの時を大事にして亡くなった方のため、そして自分自身の信仰のためにもお念仏と共に歩む日々を過ごしていきたいものです。

合掌